Overview
「ドライコーティング技術を利用した製剤設計」 門田 和紀 (和歌山県立医科大学 薬学部 薬剤学研究室)
微粒子にワックス及びポリマーを使用し、乾式溶融コーティングすることでモデル化合物の味マスキングした粒子設計に成功した例を紹介する。さらに、この技術をミニタブレットに応用し、機能性付与した製剤設計例についても紹介する。特に本検討では、最終的な実生産化を目指したスケールアップを視野に入れた検討例を示す。
「溶融造粒による新規薬物含有粒子製造技術(MALCORE®)の開発」 吉原 尚輝 (沢井製薬株式会社 製剤研究部)
従来、球形かつ均一な粒度の薬物含有粒子を製造するためには、添加剤核粒子に対して薬物含有液を噴霧する湿式レイヤリング法が汎用されている。しかしながら、本技術は多量の溶媒を要することから、それを噴霧する時間が長く非効率な製造方法であり、さらには溶媒に不安定な薬物には適用できないといった課題がある。我々は、ステアリン酸とEudragit
Eが加熱下で高粘性液体を形成することを見出し、溶媒を一切使用しない溶融造粒による薬物含有粒子製造技術(MALCORE)を確立した。本講演では、MALCOREの製造例、粒子形成メカニズムおよび応用例を紹介したい。
「Eudragit を用いた溶解性改善製剤の開発とキャラクタリゼーション」東 顕二郎 (千葉大学大学院薬学研究院 製剤工学研究室)
難水溶性薬物の溶解性・経口吸収性改善のために、さまざまなポリマーの利用が検討されている。アミノアルキルコポリマーであるEudragit E は、薬物の非晶質状態を効果的に安定化することから、非晶質固体分散体の基剤としての応用が期待される。さらに、Eudragit E は水中においても薬物の高い過飽和維持作用と可溶化作用を示すことが確認されている。本講演では、各種分析法を用いて、上記に寄与する固相および液相における薬物-Eudragit E の相互作用を分子レベルで評価した結果を報告する。
「EUDRACAP® :
機能性コーティングを施したReady-to-Fillカプセル」 石井 達弥 (エボニックジャパン株式会社 ヘルスケア部)
EUDRACAP®シリーズは、EUDRAGIT®ポリマーを活用したReady-to-Fillカプセルであり、腸溶コーティングが施された空のカプセルに内容物を充填することで即座に放出制御を実現する。EUDRAGIT®による堅牢な溶出制御が可能で、開発初期段階の医薬品候補化合物に対して簡便かつ的確な薬物動態試験を実施できる点が特徴である。本講演では、小腸上部または結腸をターゲットとするEUDRACAP® entericおよびEUDRACAP® colon、前臨床試験用のEUDRACAP®
preclinic、カスタムメイドのEUDRACAP® Selectについて紹介する。
「ADCおよびLNP-mRNAの技術開発を支えたDDS研究と今後の発展性」 粕谷 裕司 (第一三共株式会社 ワクチン研究所)
医薬品研究開発におけるDDSの重要性は長年に亘り指摘されてきた。DDS医薬品の成功事例 と
絶え間ない新技術開発の積み重ねとの融合・相互作用により、現在では、DDS技術の活用は医薬品研究開発過程に定着したと思われる。本講演では、典型的なDDS技術であるADC技術および脂質ナノ粒子に関する2つの研究事例を紹介し、DDS技術の有用性とともに限界・制約について解説を加える。
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